理化学研究所(理研と富士通が開発しているスーパーコンピューターの富岳が計算速度世界一となりました。
理研の発表によると主要4部門でトップとなる「4冠」を達成したとのことです。
2011年に世界一となった「京」から9年ぶりの快挙となりましたが、スパコン富岳はどういったことがすごいのでしょうか?
今回は計算速度世界一となったスーパーコンピューター富岳の、
●値段
●大きさ
●すごさ
といったことに関して詳しく調べてみます。
スーパーコンピュータとは
スパコンとは、理化学研究所と富士通が共同で開発しているスーパーコンピュータのことです。
スーパーコンピュータは一般的なコンピュータでは解くことが困難な大規模で高度な科学技術計算を高速に行うことができます。
基本的には気象や防災のシミュレーション、薬や素材の開発などといった目的で国の研究機関や大学が利用します。
スパコン富岳の値段は
スパコン富岳の開発費は官民合わせて1300億円(国費約1100億円)で、以前のスパコン京は約1120億円の開発費だったのでほとんど同じ額で開発されたことになります。かなり高い値段のように思えますが、前のスパコン「京」の投資効果はコスト削減を含めて「1兆円程度」と見積もった調査もあるので「富岳」もそれかそれ以上ぐらいの効果はあるものと思われます。
富岳の維持費
前のスパコン「京」の維持費が年間100億円かかっています。富岳は消費電力が京の3倍程度抑えられるということです。
富岳の維持費はどのぐらいになるのでしょうか。
富岳の維持費などに対する運営要求額を確認したところ、約160億円という数字がありましたので諸々の年間維持費は160億円程度と思われます。
個人向けの値段は…
富岳の技術を利用した商用コンピュータも2020年3月から2モデル販売されていて、日本での価格はそれぞれ400万円と1億2000万円となっています。個人で買えるような値段ではないですね。
スパコン富岳の大きさ
富岳は単体のパソコンではなく、1台で幅80センチ、奥行き140センチ、高さ220センチの計算機が432台連なっているコンピュータです。
一般的なデスクトップパソコンが約幅19センチ、奥行き38センチ、高さ35センチなので、かなり大きいことが分かりますね。
ちなみに富岳という名前は富士山のように性能が高く、対象分野(視野)が広くなるようにという由来で名づけられました。
富岳の岳という文字については、
「『岳』とは、かどだっていかめしいさまを意味する。妥協なく作り上げられた知恵の粋である『富岳』の性能の高さとユーザーの広がりを表現した」
という意味をこめているそうです。
上の写真を見ると分かりますが、実際のコンピュータにも富岳のロゴマークがあしらわれています。
スパコン富岳のすごさとは
富岳のすごさがいまいち分からないというひとも多いと思いますので京と比べたすごさを簡単に説明します。
京の計算性能
富岳の前の京は1秒間に1京回の計算ができました。
これは、地球の全人口の70億人が電卓で24時間不眠不休で1秒間に1回計算して、17日間かけてようやく終わるぐらいの速度です。
これにたいして富岳は約41京回計算でき、「京」の40倍ぐらいの速度となります。
人間では到底かなわないレベルですね。
富岳の達成した4冠
富岳の世界一となったランキングのイメージはインスタやツイッターといった「誰と誰がつながっているか」などの関連データを超高速でグラフ解析し新しいビジネスを生み出すといった感じです。多種多様なグラフ解析に応用できる性能を競っていたのが今回のランキングです。
富岳は今回のコンピュータランキングで、計算速度、シミュレーションに使うことが多い計算方法、人工知能の学習性能、ビッグデータの処理性能を示す部門でトップとなり「4冠」となりました。2位の「サミット」(アメリカ)の約2・8倍となる性能ということです。
富岳は何に使うの?
富岳は主に、
●新薬開発の最速化
●竜巻や豪雨などを的確に予想
●新デバイスや材料の創生の加速化
などに使用されます。
現在は新型コロナウイルスの研究にしようするとのことでした。幅広い分野のアプリケーションに対応できるので他にもいろいろな用途に使用されることが期待されています。
まとめ
今回はスパコン富岳についてまとめてみました。
専門的なことばかりでいまいち分からないことが多いですが世界一おめでとうございます!
これを機に日本の技術力がさらに世界にも通用するのではないでしょうか。まずは新型コロナウイルスへの新薬の開発に期待したいですね!