ロシアのドーピング問題まとめ!なぜ国家ぐるみの実態となったのか

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北京オリンピックでのワリエワ選手のドーピング問題をきっかけに改めてオリンピックでのドーピング問題について再燃しています。

ロシアによる国家ぐるみでのドーピング問題が発覚したことにより、ロシアの選手はROC(ロシア・オリンピック委員会)としての出場しか認められていません。

今後のドーピング問題の行方に注目があつまっていますが、改めてロシアのドーピング問題をまとめます。

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目次

ロシアドーピング問題とは

ロシアのドーピング問題の発覚の経緯について説明していきます。

ロシアのドーピング発覚の経緯

ロシアの国家ぐるみによるドーピング問題が発覚したのは、2014年の12月です。

ドイツのテレビ局によるドキュメンタリー番組にて、あるロシア選手がドーピングを告発したことがキッカケとなりました。

ロシアの陸上選手であるリリア・ショブホワが、ロシア陸上競技連盟やロシアの反ドーピング機関の腐敗により検査が機能していないことなどを告発しました。

世界反ドーピング機関(WADA)の調査結果によると、ドーピングは国家ぐるみで数年間にわたって行われていたそうです。

発覚したドーピングの時期

反ドーピング機関(WADA)の調査で明らかになったのは以下のようなことです。

2011年~2015年8月にかけて577件のロシア選手の陽性結果を把握していたが、ロシアスポーツ省の上層部の指示により312件を陰性扱いにしていた。

2013年世界陸上選手権

スポーツ省のムトコ大臣やドーピング検査を行う機関のトップによる違反のもみ消し、隠ぺい

2014年冬季ソチオリンピック・パラリンピック

FSB(ロシア連邦の情報・治安機関)による検査所での尿検体のすり替え

これらの指示をしていたのはロシアのスポーツ省政府機関であるFSBも動いていたため、国家ぐるみでのドーピングの使用が発覚しました。

薬物使用を拒否した選手は強化選手から外されるなど、選手が断れないような状況もあったようです。

2018年には、OAR(ロシアからの五輪選手)として、平昌オリンピックに出場していたカーリング混合ダブルスの銅メダル選手をドーピング違反としてメダルを剥奪しています。

こういったドーピング問題によりロシアの国家としてのオリンピックなどの参加しかくを停止されています。

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ドーピング国家ぐるみの実態はなぜなのか?

そもそもなぜロシアはドーピングしてまで、オリンピックに出場していたのでしょうか。

ここからはロシアが国家ぐるみでドーピングを行っていた理由について説明していきます。

ロシアのドーピングの歴史

ロシアドーピングの歴史はソ連時代にまでさかのぼります。

オリンピックは平和の祭典と言われていますが、政治家たちはスポーツを政治に利用してきました。

米ソ冷戦状態のオリンピックでは国威発揚(外国に対して発奮し威勢を示すこと)を目標にメダル数を争っていました。

国内外に自分たちの強さを示すためにメダルの獲得数というのはわかりやすい指標となっていたようです。

また、メダルの獲得や記録の更新は選手やコーチにとっても莫大な利益をもたらします。

ソ連時代には、活躍した選手は一生が保証されるほどの報酬を受け取れることから、リスクを冒してでも成果を得ようとすることもあり、選手自らドーピングを行うことも少なくなかったようです。

選手が活躍すればコーチなどの評価もあがるため、選手に気づかれないようにコーチがドーピングさせることもありました。

1991年にソ連が崩壊したことで、政治の混乱や経済状態の悪化などもあり、徐々にロシアの国際的な地位が低下します。

スポーツ大国としての復活

そんな中、2000年にプーチン大統領が「強いロシアの復活」を掲げます。

「強いロシアの復活」の中にはスポーツ競技も含まれました。

国家や国内の連帯を強めるにはスポーツが重要な役割を果たすキッカケになる、ということでスポーツの強化にも乗り出しました。

スポーツの世界大会などでの国威発揚という目標がふたたび強まった

こういった経緯もあり、「強いロシアの復活」・「国威発揚」のためのスポーツ利用やメダル獲得のためには、ドーピングなど手段を選ばないというようになっていたのかもしれません。

ロシアの前のソ連の時代からスポーツに対してそのような考えがあり、現在までそのような悪習が続いてしまっているのではといわれています。

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ロシアの選手が強い理由はドーピングだけじゃない

ロシアの選手が強いのはドーピングが理由というわけではありません。

最後にロシア選手の強さの秘密についてもご紹介します。

東京五輪でのメダル獲得数は3位

現在、ロシアは過去のドーピング問題もあり、国家によるオリンピックの出場は許されていません。

ROC(ロシア・オリンピック委員会)として出場している選手たちは、ドーピングの違反歴や疑惑がない選手のみが個人資格でオリンピックに出場しています。

また、ROCとして参加した場合でも、ロシアの国旗や国歌を使用できないという制約もあります。

東京オリンピックでは、金20個、銀28個、銅23個の全体3位のメダル総数となりました。

東京オリンピックではドーピングは確認されていないので、ロシア選手の強さが分かりますね。

ステートアマ政策により有力選手が多い

ロシア選手がそれほどまでにメダルを獲得できる理由にも理由があります。

ステートアマと呼ばれるソ連時代の国家政策です。

ステートアマとは国から報酬・物質的援助・身分保障をされ、競技に専念できる環境を整えられた選手のこと

幼少期の頃から練習場所や生活まで国が管理して、プロの選手と変わらないほどの環境を選手に与え徹底教育していました。

そうした国家による徹底的な管理によって優秀な成績を収める選手を数多く輩出していました。

※今はそこまで厳しいようなことは行っていないようです。

東京五輪などに出場した選手は1年半ものあいだキャンプに閉じ込められ、練習を重ねたり、専用の施設で数週間もの間トレーニングするなど、ステートアマのような扱いをされているのは変わらないようです。

長年の国家状況からスポーツでの競争は熾烈を極めるロシア選手だけに、ドーピングなどしなくても強い選手が存在するのも事実です。

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まとめ

今回は「ロシアのドーピング問題まとめ!なぜ国家ぐるみの実態となったのか」ということについてご紹介しました。

今までの歴史を振り返ってみれば、なぜドーピングを行う国や選手が多いのかという理由が明らかになりますね。

ドーピングでの競技参加は選手間の公平性が無くなるだけでなく、選手の体にも影響を与えることになります。

渦中のワリエワ選手は15歳ということもあり、今まで以上にドーピング問題が大事になっているようですね。

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